2011年9月29日木曜日

震災復興の試算について

◆◆ 国(震災全体の)試算 ◆◆
2011/06/10 14.1兆~20.0兆円
 菅首相の私的諮問機関「東日本大震災復興構想会議」の下部組織「検討部会」
試算は、1995年の阪神大震災の被害を参考に、災害救助費やがれき処理費、公共事業費などを積み上げた。内閣府が3月に16兆~25兆円との見通しを示した震災による被害額は16・0兆~22・3兆円と推計した。
 ただ、今回の試算は、東京電力福島第一原子力発電所事故の被害は「現在も続いており確定できない」などとして含めていないため、最終的な復旧・復興費はさらに膨らむ見通し。(YOMIURI ONLINE

◆◆ 被災地試算 ◆◆
2011/09/27 13兆円 宮城県
 村井嘉浩宮城県知事は26日、県議会9月定例会本会議で、県震災復興計画を進める2020年度までの10年間で、総額1兆6000億円の県債発行(借金)が見込まれるとの試算結果を明らかにした。
 復興計画に盛り込んだ342事業の事業費は13兆円に上るとみられ、このうち県負担は2兆1000億円と算出。5000億円は一般財源で工面できるが、残りは県債に頼るしかないという。
 普通会計の県債残高は既に1兆5012億円に達しているが、今後10年で倍増する計算になる。知事は「将来の県財政圧迫を大変危惧している。予断なく国に財源確保を訴えていく」と語った。
 農林水産物の放射能検査に関しては、県合同庁舎や産地魚市場、県試験研究機関など計19カ所にゲルマニウム半導体検出器2台、簡易測定器19台を配置。10月中旬から順次検査を開始し、体制を強化する考えを示した。
 県産牛の価格下落に伴う肥育農家への緊急支援については、「農家の苦しみを考えれば一日も早い方がいい。年内の早い時期に実施できるよう支援していく」と話した。(河北新報

2011/09/19 8年で8兆円 岩手県
岩手県は震災からの復旧・復興に2018年度までの8年間で約8兆円かかるとの試算をまとめた。8月に策定した県復興基本計画(2011~18年度)に盛り込んだ全354事業の事業費を積算した。内訳は大きく4項目に分類。最も事業費が大きいのは「安全の確保」の項目で、津波で浸水した土地のかさ上げや湾口防波堤の整備などとして3・7兆円を計上している。
 このほか、〈1〉被災者向け公営住宅や被災者台帳の整備など「暮らしの再建」2・2兆円〈2〉水産業の復興や二重ローン解消など「なりわいの再生」1・4兆円〈3〉宇宙に関する実験施設「国際リニアコライダー」や海洋研究機関の誘致などの「三陸創造プロジェクト等」7000億円――としている。
 県は国に対し、既に各事業費の8~9割の補助を要望。残りの事業費についても地方交付税で賄いたい考えだ。「県の予算規模は6500億~7000億円程度。今年度震災関連の補正予算としてすでに計4433億円を計上しており、来年度以降を考えると限度がある。国に要望せざるを得ない」(県復興局)としている。(YOMIURI ONLINE

2011/09/08 県復興経費2兆円 除去経費は算出不能 福島県
東京電力福島第一原発事故からの復興に必要な本県の経費は除染費用を除いて約2兆円に上る見通しであることが分かった。7日までに県が試算した。県が最も多く掛かると見込んだのは「産業再生」の分野で1兆5780億円。県は復興基金の造成を視野に入れ、国との調整を進める方針だ。
 県土の放射線量を下げ、県外に避難した県民も古里に戻る環境にする「帰る」、県民の命や健康を守る態勢を整える「守る」、雇用を確保し、産業を振興させることで県民が安心して生活できる「生きる」の3つのテーマに分けて試算された。県が年内に策定する復興計画により、さらに経費は増える可能性もある。
 「帰る」は県土の除染をはじめ、大気や水、土壌浄化の研究などの事業。除染費用はどの範囲まで除染が必要か不透明なため経費規模は算出できないのが実情。研究費などで約809億円を想定した。
 「守る」の主な事業は放射線治療の拠点となる放射線医学・最先端診断治療センターの設置、県民の健康増進を目的とした県民健康管理調査で、費用として約1260億円を算出した。
 最大の経費が掛かると見込んだ「産業再生」は「生きる」の分野に盛り込んだ。このうち産業再生に1兆5780億円を投じ、再生可能エネルギー研究や関連企業の誘致などに充てたい考え。県は復興基金を造成する方向で国に交付金の交付を求める方針だ。 (福島民報
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2011/07/29

復興事業費23兆円 宮城県試算12.8兆円 「全然足りない」

 宮城県は東日本大震災の復興財源について、2020年度までの10年間で、県と市町村分を合わせ12兆8327億円が必要と試算した。政府は10年間の復興事業費を23兆円規模と決めたが、村井嘉浩知事は「全然足りない」と批判。8月4日に行う国の3次補正予算に向けた要望活動で、見直しを強く迫る方針だ。
 県によると、内訳は県分が震災復興計画2次案に明記した316事業を含む7兆190億円。市町村分は特定被災地31市町村の総額5兆8137億円で、丸森、加美、色麻、七ケ宿4町は含まれていない。
 県分は、住宅の高台移転費や防潮堤整備費など公共土木施設分野が2兆4320億円、がれき処理費を含む環境生活衛生分野が1兆2260億円、漁港復旧費など農林水産分野が1兆1360億円となった。
 企業誘致の促進事業費を含む経済商工観光分野は4860億円。県立学校再建費など教育分野は2270億円、仮設診療所整備費など保健福祉医療分野は1170億円とそれぞれ算出した。
 東京電力福島第1原発事故に伴う放射能被害対策も計上。県全域での健康被害追跡調査、土壌汚染被害調査、放射性セシウムに汚染された稲わらや牛肉の処理対策、肉用牛の全頭検査などの費用を大まかに見積もった。
 市町村分は、仙台市が5年間の復旧・復興事業費として試算した1兆円のほか、高台移転や土地区画整理、防災緑地整備などに要する8591億円を盛り込んでいる。
 放射線被害が拡大したり、JR復旧費に県負担が発生したりすれば、額はさらに増える。
 村井知事は8月4日、県市長会長の奥山恵美子仙台市長、県町村会長の鈴木勝雄利府町長と合同で、政府に被災地の積算に基づく復興財源の確保を要請する。
 達増拓也岩手県知事や佐藤雄平福島県知事にも呼び掛け、被災3県で政府に再考を求めることも検討している。
 村井知事は「被災地の試算結果を待たず、政府が復興事業費を決めた根拠が分からない。宮城だけで13兆円かかり、どう考えても足りるとは思えない。23兆円の財源確保で幕引きすることは許されない」と話している。(河北新報

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